2012年02月15日

世界一のマナー

1997〜98年の2年連続チャンピオンズ・ツアー賞金王となったヘイル・アーウィン(当時52歳)が、その年のオフに来日した時のこと。過密なスケジュールのなか日米のアマチュア20人ほどを連れて、当時私が所属していたゴルフコースを訪れました。幸運にも世界一のゴルフを目の前で見れるこの上ない機会に、私はその一挙手一投足を目に焼き付けようと食い入るようにプレーを観察していました。

チャンピオンズ・ツアー賞金王といえば名実ともに世界一。そのオーラたるもの物凄いだろうと思いきや、以外にごく普通のゴルファー。知らない人が見たら「上手な外人さん」というふうにしか感じないかも知れない。試合モードとは違うとはいえ、周囲に威圧感を見せない自然体で気さくな人柄がとても好印象に映っていました。

ラウンドが始まって3ホール目のセカンド地点でのこと。空気が乾燥していたせいか目に違和感があったようで、アーウィンはおもむろにキャディバッグの中から目薬を取り出そうとチャックに手をかけました。ちょうどその時、10メートルほど離れていた場所でもセカンドショットの準備のため、同伴アマチュアゴルファーがアドレスに入ろうとルーティーンを開始。するとアーウィンは、半分ほど開けたチャックの手を、なんと途中で「ピタッ」と止めたのです。

10メートルも離れていれば、チャックを開ける音などほとんど聞こえないはず。普通なら「チャックの音ぐらい・・・」と気にも留めずにそのまま開けてしまうかも知れません。ところがアーウィンは、そのチャックの音さえも細心の気を配り、片時も目を離さずに同伴者のプレーを見守っていたのです。

世界一のゴルファーはマナーでも世界一なのですね。

posted by プロゴルファーKAZU at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ルール・マナー