2013年05月14日

ロフト角とスピン

その昔、スコットランドの羊飼い達が、杖を使って遠くのウサギの穴に丸い石ころを入れる遊びをしていたのがゴルフの起源と言われています。当初は杖から進化させたパターのような木製クラブで単にボールを転がすだけのゲームとして普及、また賭け事の遊びとしても楽しまれていたようです。

そんなある日、1人の男が自分のクラブを削ってロフト角をつけることを思いつきました。すると、今まで転がるだけだったボールは、なんと空中遥か彼方へと飛んでいったのです。それは当時のゴルファーにとってまさしく「魔法の杖」の誕生でした。

彼に1人勝ちをされて愕然唖然とした仲間達は、自分も同じロフト角を付けようと、こぞってクラブヘッドを必死に削ったのでした。その後、ゴルフは「空中戦」のゲームとなり、さらに「もっと飛ばす為には…」「もっと正確性を出すには…」と設計技術まで競い合っていくようになります。そう、そこからゴルフクラブは性能がどんどん進化。その信念・向上心は何百年ずっと変わらずに現代まで引き継がれています。そんな歴史と心を持つロフト角ですが、近代のクラブではどんな役割を果たしているのでしょうか。

@ ウッドのロフト角
その定義は、フェースの中心通る上下の斜線とソール(ヘッドの底部)に対して垂直 な面との間の角度のことをいいます。ウッドのロフト角はボールの距離・弾道、さらにバックスピン(インパクト時の衝撃摩擦によるボールの逆回転)にも大きく影響します。また、芯をはずした打球では、ギア効果(フェイス面の丸みによる摩擦効果)が働き、ボールに地球の自転のような横回転が掛かります。

また、ウッドのフェイス面の左右の丸みをバルジ、さらに上下の丸み(曲線)をロールといいます。バルジとロールは芯をはずした打球の時に、ボールに特殊な回転(スピン)を与えます(ギア効果)。

A アイアンのロフト角
その定義は、フェース面とホーゼル(シャフトを挿している根元部)との中心線の角度をいいます。アイアンのロフト角は、ウッド同様に飛距離・弾道に影響し、よりバックスピン量に大きく影響します。また、アイアンヘッドに刻まれている凹溝(スコアライン)に、インパクト時の衝撃によりボールのディンプル(クレーター状のもの)がめり込み、クラブヘッドの「推進力」とロフト角による「摩擦」の力でバックスピンか発生、ボールは打ち出されます。(実際は、ロフト角>打ち出し角 下図参照)

B ロフト角の違いが及ぼす影響は...

 ストロング(通常よりロフト角が小さい)の場合

● 距離感が難しい。但し、パワーアップで使いこなすことも可能に。
 (近年では技術向上によって、ストロングでもラクに使えるクラブが多くなりました。)
● 一般的には、ボールが上がり難く弾道も低くなってボールが止まりにくくます。
● ロングアイアンが難しくなり、各番手の間の距離にバラツキが出るようになり、スコアメイクが難しくなります。
 (近年はショートウッド・ユーティリティの登場により、その使用率は減少傾向に。)
● ヘッドスピードの速いプレーヤーの場合、適切なスピン量と弾道の高さによってドライバーの距離が伸びる可能盛大。

 ウィーク(通常よりロフト角が大さい)の場合

● 距離感が比較的合わせ易い。 但し、インパクトをリキんでしまうとスピン過多で曲がる。
 (ボールが柔らかかった時代の古いクラブは、ボールの歪みが大きいために必然的にウィーク設計となっていました。)
● ボールが楽に上がりやすい反面、距離が出なくなる。
● ヘッドスピードの遅く弾道の低いプレーヤーの場合には、ドライバーの距離が伸びる可能性大。

ちなみに、ボールのバックスピン量は、ヘッドスピードやクラブヘッドの使い方によっても変わります。併せて、ゴルフだけが唯一自由にボールを選択できるスポーツなので、最適なバックスピン量が得られるボールを見つけることも大切なポイント。但し、その数は何百種類もあるので、情報を収集ながら色々と試してみると良いでしょう。


posted by プロゴルファーKAZU at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | アセンション