2013年07月22日

アンカーリング規制

全英ゴルフ協会(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)は、ゴルフ規則14-1bによりアンカーリングを禁止すると発表。このルール改定は4年の改定に伴い2016年1月1日から施行されることとなりました。

アンカーリングとは、長尺パターなどで用いられる打法で、クラブのグリップエンドを身体に密着させて(主に胸の中心部あたりを)支点とした振り子のように打つ方法で、多くのプロも長年実践してきたパッティングスタイルでした。

規則案:
14-1b クラブのアンカーリング(クラブを固定すること)
ストロークを行う時、プレーヤーは「直接的」に、或いは「アンカーポイント(固定点)」を用いることによって、クラブをアンカー(固定)してはならない。
注1: プレーヤーはクラブや握る手をどちらかの手や前腕(肘から手首まで)に接触できることを除き、プレーヤーが意図的にクラブや握っている手を自分の身体のどこかに接触させてクラブを持った場合、そのクラブは「直接的」にアンカーされたことになる。
注2: プレーヤーが意図的に前腕を自分の身体のどこかに接触するようにして、クラブを握っている手をその周囲でもう一方の手がクラブをスイングすることができる安定点とした場合、「アンカーポイント」が存在するものとする。

つまり、ストロークの際に「グリップエンドを身体に密着させて固定する」或いは「前腕を身体に密着させてグリップエンドを固定する」ことを禁止する、というのがシンプルな解釈でしょうか。

アンカーリング禁止の理由として、USGAエクゼグティブ・ディレクター、マイク・デービス氏は「ゴルフ600年の歴史を通じて、ゲームをプレーすることの本質は、クラブを手で握って球に向けて自発的にスィングすること。したがって、プレーヤーのチャレンジは球を打つときにクラブ全体の動きをコントロールすることであり、クラブをアンカーリングすることはそのチャレンジの本質を変えることになる。私達の結論は、流行り始めたクラブのアンカーリングという習慣を排除することによって、ゴルフスィングの伝統的な特徴を維持するためにゴルフ規則は修正されるべきであるということだ。」と述べています。

また、R&Aのピーター・ドーソン氏は「アンカーリングするストロークは、より多くのプレーヤー達にとって好ましい選択肢となってきており、そのことがこのようなストローク方法やゲームの影響について私達が再考察する理由となった。私達の懸念は、アンカーリングするとストロークがこのスポーツのずっと昔からの特徴に不可欠な伝統的なパッティングストロークにとって代わる恐れがあるということである。」と述べています。

いずれも、「ゴルフの伝統的なスィングやストロークとアンカーリングは掛け離れている」という意見で一致したようです。

当然のことながら、賛否両論があります。例えば、今回の全英オープンを見事優勝し、メジャー5勝目を挙げたP・ミケルソンは、自身は長尺(ロング)パターを使用していない通常スタイルのパッティンクスタイルですが、「自分が使っているかどうかが問題ではない。両サイドの気持ちは理解できるが、これまで30年以上も使用を許可し、練習してきた選手たちから突然取り上げることは納得できない。極めて不公平だ。」と述べています。一方、メジャー14勝のタイガーウッズは、「パターとはゴルフバッグの中で1番短くあるべきだ。」という持論でアンカーリング禁止に賛同する意見を公表しています。

私も通常のパッティングスタイルですが、P・ミケルソンの意見に近い考え方です。確かに長尺パターが普及し始めた時には「えっ、そんな方法アリ?!」と思ったのが正直な印象でしたが、自分が試してみると「なんだか、やり難いなぁ」と感じたのも事実で、それに長尺パターの使用プロが「圧倒的優位にパターが入る」のであれば、皆こぞって長尺パターを使用しアンカーリングしていることでしょうし、「伝統的なバッティングスタイルでない」のであれば、アンカーリングが普及し始めた時点で何らかの措置をすべきだったのでは、と思います。

なので、もしアンカーリング規制をするならば、先ずはパターそのもののグリップ部分や形状によってストロークが優位に行われないように「長尺パターの用具規制」をする。それでもアンカーリングによる優位なストロークが行われている事実がデータとして明らかにされた場合には改めて規制をする、という順序の方が公平性を考えるとスマートな気がします。

アンカーリンク規制が施行されるまで2年半弱ありますので、まだまだ色々と物議を醸し出しそうですね。みなさんは、どうお考えでしょうか?

posted by プロゴルファーKAZU at 19:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | アセンション