
クラブハウス周辺や駐車場及びカート道路などはスコップで掻き分けて除雪することができますが、柔らかい芝の上の雪を除雪するのにスコップを使用しては芝を傷めてしまいます。また、塩化カルシウムなど融雪剤を使用する方法も考えられることですが、残念ながら芝がダメになってしまうのでこれまた使用不可。
では、どうするか。
ゴルフ場に雪が積もって休場が長引く場合、キャディさんも、コース管理部の人も、クラブハウス内の職員もみんなでコースを歩きます。そう、ひたすら歩いて雪に「凸凹」を付けるのです。「凸凹」を付ければ、雪に太陽の光を受ける面も増えて雪面の温度を上昇して融雪を促す効果が期待出来るからです。
また、それぞれの手に「目土袋」を持ってフェアーウェイを中心に目土(ディボット用の土砂・有機肥料入り)をバラ撒きます。これは、光を吸収する黒い墨を撒いて温度を上昇させ融雪を促すのと一緒ですが、雪が溶けた後にまもなく芽を出す新芽に対しても優しいので、さらに二重の効果が期待出来ます。また、有機肥料入りの場合は、微生物による発熱作用もありさらに融雪を促します。ただ、臭いがひどいのが難点ですが...
しかしながら、今回の雪は先にも述べたように、軒並み歴代1位の最深積雪深を記録しているので過去の除雪作業とは桁違い。コース内を歩くと言っても、どれだけ大変な体力を消耗しているか想像できます。きっと1日1ホール歩くことも困難だったことでしょう。
時が立つにつれ、ひとつまたひとつと南寄りのゴルフ場からようやく「開場」の声が聞こえてくるようになってきました。従業員の皆様には本当に本当に「お疲れ様でした」と声を掛けてあげたいですね。一日も早く全国のゴルフ場がこの豪雪被害を乗り越えて、平常に戻り、大勢のお客様で溢れることを祈っています。