2012年06月05日

飛距離の進化

ドライバーは、1980年前半にメタルヘッド(ステンレスやアルミ合金)が登場し、ゴルフ発祥以来何百年と主流であったパーシモンヘッド(柿の木)の時代に終焉が訪れました。1980年代半ばになるとメタルウッド使用者がパーシモン使用者を越え、その後1990年代には現在主流となっているチタンウッドが登場。ゴルフクラブが更に飛躍的な進化を遂げるきっかけとなります。 

しかし、チタンウッドはメタルウッドの時と違い、当初はなかなか受け入れられませんでした。なぜなら、その頃主流のメタルウッド派や、まだ多く存在していたパーシモン派が使うボールがバラタ系(非常に柔らかいボール)だったからです。すなわち硬い素材のチタンに対して、柔らかいバラタ系ボールは潰れすぎて相性が悪く、ボールコントロールも難しく飛距離も出なかったのです。

そこで、登場してきたのが「ツーピースボール」。この硬いプラスチック系のボールがベストマッチ。チタンウッド使用者の飛距離を驚異的に伸ばしたのです。で、それにビックリ仰天した「メタル派」や「パーシモン派」は皆、こぞってチタンウッドへ大移動。時代はこうして「チタンヘッドとツーピースボール」へと移行していったのです。 

飛びの追求はまた、シャフトの進化をもたらしました。スチールシャフトからカーボンシャフトに変わり、軽量化シャフトの開発でパーシモンやメタル時代の43インチのシャフトは、44インチ、45インチ、の46インチとどんどん長くなり、120gもあったシャフト重量は半分以下の50g以下まで軽量化。また、硬くてしなりの少なかった昔のシャフトと比べ、トルク(ヘッドとの接続部分を含めたシャフト全体のねじれ)の強度が増したシャフトは、しなりを大きく使って距離を伸ばすことを可能にしました。 

また、素材が硬くて軽いチタンは、ヘッドの厚みを薄く体積をより大きくすることが可能で、現在は改良を重ねられて460t程度まで増大しています。

しかし、大きくなったヘッドは当然空気抵抗も大。そこで製造されたのが「円盤型ヘッド」。特徴は低重心で、ティーを低くしてフェアーウェーウッド感覚で打つことが出来ます。ドライバーもフェアーウェーウッドのひとつなら「易しく感じられる」という訳です。

ところが、「球が高く上がる」ということはスピン量も多くなります。従って、キャリー(落下距離)は稼げても、そこからのランは少なくなり、距離は稼ぐには不十分。

そこで、スピン量を減らすためにヘッド高のある(厚みのある)低重心設計の、これまでより「やや小ぶり」に見えるヘッドが開発され(体積は変わらぬまま)、ボールのスピン量をコントロールして、キャリーにランが加わって飛距離を稼げるように改良されました。

また、最近のボールは「ドライバーで打つときには、距離を稼ぐために硬く」「アプローチ・パターで打つときは、フィーリングを出せるように柔らく」といった特性を備えていて、インパクト時の高度なテクニックも不要。最新テクノロジーによる「夢のようなボール」が開発されています。そういえば「ツーピスーボール」という表記は近頃見ませんね。

さらに、シャフトに関しては、少々行き過ぎた「軽量化と長さの追求」から、重さ「50〜70g」長さ「44〜45インチ」で安定。最近ではこの範囲が「最もバランスが良い」ということで推奨されているようです。

ちなみに、USPGAツアーのドライビング・ディスタンスの変遷は、1990年⇒279yd に対し、2011年⇒316yd。20年で37ヤードも平均飛距離が伸びています。既に、2005年の高反発規制前の数字(318yd)と肩を並べています。そろそろ、何らかの「新規制」が検討されるかもしれませんね。(多分、先ずはボールかも…)

posted by プロゴルファーKAZU at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | アセンション
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