2018年01月09日

フェイスブログレッション

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017大晦日、いつものようにNHK紅白のあとは「ゆく年くる年」。遠くで聞こえてくる祭囃子(まつりばやし)に誘われるように、年が明けると近所の神社に初詣に出かけます。

nakayama_kaji5.jpg手水を済ませ、鳥居の先のやや急な石段の途中で10分ほど待つ。心なしかいつものように大勢の参拝客で賑わっていないようす。粛粛と御祈願を済ませると、境内の東側から威勢のいい自治会の青年団が、つきたてのお餅の入った「お雑煮」と「甘酒」を参拝客一人一人に振舞ってくれる。パチッ、パチッと時折り聞こえる焚火の火花をチラリと気にしつつ、「また年が明けたなぁ…」としみじみ感じて。

曜日の巡りで今年は例年より少々長めのお正月で、翌2日は、駅前の評判の良い中華飯店で身近な親族と初顔合わせするのがすっかり恒例となった。肝心なゴルフというと暫く練習不足で、パソコンの前にいる時間を少し減らして、そろそろ重たくなってしまった腰を上げようと思っている昨今です。

さて、2018年の最初は「フェイスブログレッション(FP値)」についてお話します。

FP値とグース.jpg

クラブヘッドのリーディングエッヂからシャフトセンターまでの幅の数値を「フェイスプログレッション(FP値)」といいます。また、ヘッド形状を「グースネック」「セミグース」「ストレートネック」といいますが、この「グース」とは、ホーゼル(ネック)外径側(左側面)からリーディングエッジまでにある間隔のことをいい、別名「オフセット」とも呼ばれていて、フェイスブログレッションと密接に関係しています。

「グースネック」は、ホーゼル外径側からリーディングエッヂまでの幅が長く、FP値は小さいタイプが多くみられます。また、「セミグース」は、ホーゼル外径側からリーディングエッヂまでの幅がグースネックタイプより少し短く、FP値はやや大きめに表されます。そして、「ストレートネック」はホーゼル外径側からリーディングエッヂまでの幅が狭く、FP値は大きめに表されます。
(※スリクソン2016Zシリーズアイアン参照)

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FP値は、0.0〜7.0以上(単位mm)で表され、また番手やネックの太さによってミリ単位もそれぞれ変わり、例えば、グースネックのクラブでもFP値は 5♯アイアン<6♯アイアン<7♯アイアン、といった具合にショートアイアンになるにつれて大きくなっています。これは、ロフト角が大きくなる番手(5番より6番、7番より8番)ほどボjushinkaku.jpgールとフェイス面の摩擦が大きくサイドスピンが少なくなる(ロングアイアンほど右へ、ショートアイアンほど左へボールが行きやすい)ので、少しずつFP値を調整することで「重心角」を変えて、全ての番手のボールの捉え方が安定させる目的があるからです。

「グースネック」のクラブはボールを包み込むように捉えやすく(左へ行きやすい)、ミートポイント(ボール位置)がスタンスの中央寄りになるので低弾道になりやすい、といった特徴があります。また、ドローボールが打ちやすかったりインパクトゾーンを真っ直ぐに捉えやすく、右へのミスやスライスが出にくいので、初級者向きと言われています。

22_02_image18.jpg「セミグースのクラブ」は、グースネックよりややストレートに近い形状で、ボールを包み込みがグースネックよりも少ないイメージです。ミートポイント(ボール位置)はややスタンスの中央寄りで、中弾道になりやすい特徴があります。また、インパクトゾーンをストレート軌道にしたり、またヘッドの開閉を少し行うことで、軽いドローや、フェードが打ちやすくなります。色々なスィングに適応できることから、中上級者向きと言われています。

「ストレートネック」は、文字通りシャフトとリーディングエッヂのラインがストレートに見えます。ミートポイント(ボール位置)はスタンスの左寄りになります。また、ボールが捉まりにくく右へ飛び出しやすい、高弾道になりやすい、フェードが打ちやすい、といった特徴があります。また、クラブの開閉を積極的に行うことで、ドロー・ストレート・フェードと色々球筋を打ち分けたり、弾道の高さを変えたりと、様々なテクニックを使えることから上級者向きと言われています。

形状タイプ別一覧表.jpg

つまり、グース(オフセット)が大きめでFP値が少なくなるほど、よりグースネック寄りの見え方が強くなり、グース(オフセット)が小さめでFP値が大きくなるほど、よりストレート寄りに近いネックに見える、という訳です。一般的には、自分のクラブがグース・セミグース・ストレートのどのタイプで、どんな球筋が打ちやすいのか、そしてFP値とは何を意味するのか、といった点を知っていれば良いでしょう。

ちなみに以下、私が使っているホンマのアイアンTOUR World TW727M の調整表(抜粋)です。ストレートネックタイプですが、セミグース系だったので、しっかりフェイスターンさせても引っかからないように、番手別に0.5〜1.25mm出荷時より大きく、Just0.25mm刻みでFP値をチューニングしてもらいました。なので、ばっちりフェードが打ちやすくなっています。そう、私はフェード中心のプレースタイルなんですね。担当していただいている、西日本屈指の凄腕のクラフトマン集団FGさんには、ホント感謝感謝です。

毎度、こんな会話をするのがとっても楽しいです。σ(^_^;)

HONMA調整表.jpg

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2017年09月02日

クロスハンドグリップ

最近、パターグリップをノーマルグリップからクロスハンド・グリップに挑戦しています。これには理由があります。今までは通常のノーマルパターグリップで長年やってきましたが、それが特に悪いうわけではなく、まぁ、ちょっとパッティングの距離感や方向性が最近イマイチなので、試しにやってみようかな、というのと、それに、パッティング理論上からすると、クロスハンド・グリップでストロークする方が、ボールが良い転がりをする(安定した順回転になりやすい)はずなので、それを試してみたいという二つの理由からです。
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パッティング以外のアプローチを含めた普通のショットでは、クラブヘッドで捕らえられたボールはバックスピン回転でボールが上がります。一方、地面を転がるパッティングのボールは順回転、いわゆる車のタイヤが前進する回転と同じです。

「そんなこと、当たり前じゃないか」

なんて声が聞こえてきそうですが、その当たり前がとても重要なポイントなのです。

先述の通り、通常のショットではボールはバックスピン回転をします。これは、シャフトを軸にしてクラブヘッドがトウ側から反時計回りに(右利きの人の場合)円運動することによって、ボールとクラブフェイスでバックスピン回転が発生します。また、ゴルフスィング時の円運動は、クラブで右手(中指・薬指)を支点としたテコの原理を利用することで生まれ、更にボールに強いパワーが伝わります。

一方、パッティングは、ボールは順回転します。これは、グリップ(エンド側)と一緒にパターヘッド(ヒール側)を直進運動(正確には直進に近い緩やかな円運動)させることによって、オーバースピンが発生します。また、クロスハンドのパッティング・ストロークでは、力点と作用点が右から左へと同方向に動かすことで、支点も力点となってテコの原理にならないので、ボールへのパワーは伝わりずらくなります。

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テコの原理2.jpg

つまり、ボールを力強くバックスピン回転させる通常のショットと、柔らかく(弱く)順回転させるパッティングはクラブヘッドの動きやパワーを伝える原理も「真逆」である、ということ。だから、パッティングでは右手は体の近く(上)で左手が体から遠く(下)でグリップするクロスハンド・タイプの方が、通常のパッティング・タイプよりパターヘッドとグリップを右から左へ動かす直進運動とパワーを抑えたソフトタッチを出しやすい、だから高速グルーンにもGOOD、という訳。いずれも、両手を15センチ程度離した状態で、通常のパッティングタイプとクロスハンドタイプの素振りで比べてみれば、なんとなく実感できるはずです。
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また、ラウンド中ではアプローチからパターへ、そして次のホールのティーショット(ドライバー)へとの流れのパターンが、ひとつのルーティーンとして感性のポジティブな繋がりが出来ます。しかし、通常のショットと同じ手の位置では、ボールの回転を間逆(順回転)にさせるパッティングの動きで、感性の繋がりが無意識に途切れてしまったり、或いは変化してしまったり、といった可能性が比較的には否めません。もちろん、通常のパッティンググリップに慣れている人や、さほどパッティングに問題を抱えてない人は、特に変える必要はないでしょう。ただ、こんな話でもちょっと興味の持った方、或いは悩みを抱えている人は、試してみる価値はあると思います。

ちなみに、現在大活躍中のトッププロ、キム・ハヌル選手やジョーダン・スピース、ローリー・マキロイ選手もクロスハンド・グリップでパッティングを実践しています。まあ、そこまで計算して実践しているのかどうかは不明ですが、私の見解としては、同じような理論に添った統計的・確率的な根拠があるのでは、とみています。

ということで、クロスハンド・グリップに暫く挑戦してみようかな、と思っています。でもまあ、パターも五角形型・振り子の原理で提唱されているストローク方式が大衆的で一般論だし、私なりの机上の論理の話なので、結果が伴わなければ、また元に戻すかも知れませんけど…ご参考までに。


【おまけ】
パッティング理論上、通常の振り子型ストロークはパターのロフト角は小さめ(3.0〜3.5°)、クロスハンド型ストロークはロフト角は大きめ(3.5〜4.0°)の方がボールに良い順回転をかけやすいといえます。但し、ボールコンプレッション※1やパターヘッド形状もストローク方法に影響しますので、一概には言い切れません。また、ボールコンプレッションは、パターヘッド(インサート・軟鉄等の素材)とボールとの相性を掌(つかさど)るので、「パター本体・ストローク方式・ボール」この3つのどれを優先順位にして、自分のパッティングスタイルの完成度を高めていくのが筋道かな、と思います。でも、パッティングは天性とかいわれたり、そこまで考えなくてもパターが上手な人はたくさんいるし、まあ、あえて掘り下げても考えすぎちゃうこともありますから…  σ(^_^;)

※1 ボールコンプレッション
ボールの硬さを示す指標。それらを関連する概念に ディスタンス系、スピン系というボールの分類があるが、ディスタンス系は硬いボールで、スピン系が柔らかいボールだといわれているのが一般認識。しかし、正確には、スピン系のボールは、硬めのコアでス反発力を確保して柔らかいカバーでスピン量を増やす。また、ディスタンス系のボールは、柔らかいコアでドライバーのスピン量を減らして硬いカバーで反発力を確保する、という性能である。

posted by プロゴルファーKAZU at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | テクニカル