2015年02月05日

スコアメイク

良いスコアを出すためには、ナイスショットを重ねて真っ直ぐピン向かって攻めていく、といったような技術力や正確性に頼ったプレースタイルになりがちですが、多くの場合そう思うようにはいかないものです。もちろん、過去のベストスコアを更新したい、全てナイスショットでBIGスコアが欲しい、とは誰もが願うもの。しかし、調子の変動の多いゴルフは思いと裏腹の結果になってしまう方が現実的には多い訳で、これを心得た上で、自分のレベルに合わせた戦略をきちんと立ててプレーに挑む。そのほうが安定したスコアを獲得できる、即ちスコアメイクできる可能性がずっと高くなります。

スコアメイクをするには、先ず「自分のアベレージ(平均値)を上げる」という考え方へとスィッチを切り替える必要があります。例えば、アベレージ「100」の人が過去のラウンドを振り返った時、不調時には105や110といったスコアがあり、一方、好調時には90や95といったスコアもあったことを保存しているスコアカードがあれば確認します。つぎに、毎度なりがちな「ベスト90を更新するんだ!」或いは「90台前半を出すぞ!」といった具合に良いスコアだけを意識したプレーイメージを頭の中から消します。そして、あくまで過去のラウンド回数のスコア平均値「100」、これが現在の自身の実力であることを冷静に受け止めます。

ここで注目すべきは、好調時のスコアでなく不調時の「105」や「110」といったスコア。こちらのスコア側を1つでも2つでも良くしていく事に目を向けます。平均値を上げるためには、良いスコアを多く出すイメージを意識するより、実は悪いスコアを底上げする方がずっとやりやすいのです。

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そこで実践して頂きたいのが「自分のパープレー設定」という戦略法。仮にアベレージ「100」の人なら、1つ平均スコアを伸ばした「99」が設定値。これが自分のパープレー(±0 Even Par)です。この「99」はスコアカードの「Par72」に対して「プラス+27」。つまり「ハンディキャップ27」。たとえパーがなくても18ホール中、9ホールが「ダブルボギー(+2)」、残りの9ホールが「ボギー(+1)」でラウンド出来れば「99」になる訳です。だから、本来の「Par」に対し、ダブルボギーでよい9ホールは「+2が自分のPar」、ボギーでよい9ホールは「+1が自分のPar」と設定するのです。

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ゴルフ場でスコア記入するスコアカードをよく見ると、ホール・ハンディキャップ(HDCP)(※1.参照)が数字(1〜18)で記載されています。これを参考に、難易度の高いHDCP1〜9のHoleは「+2」、HDCP10〜18のHoleは「+1」として自分のパーを設定します。例えば、上のスコアカードで設定するなら、HDCP1 No.4 395y Par4⇒「Par6」、HDCP3 No.1 542y Par5⇒「Par7」、HDCP14 No.13 146y Par3⇒「Par4」といった具合です。従って「Par6」と設定したNo.4 395y Par4を「6」で回った場合、本来のParに対しては「+2」でダブルボギーですが、設定した自分のパーに対しては「±0・Par」となります。もし「5」で回った場合は「-1・Birdy」となる訳です。あとは、同様に全てのHoleで「自分のパープレー設定」に従って徹底したプレーを続けます。これなら、ミスショットへの許容範囲を広げられ、本来の「Par」の束縛から自分を解放してあげることまで出来るのです。

これまでのように「ダブルボギーだったョ...」とか「トリプルも叩いちゃった...」など意気消沈しやすい言葉はもう言う必要はありません。単純にそのHoleのスコアを「5です」或いは「6です」と堂々と言えば良いだけ。心の中では静かに「私はParだ」とか「Bogeyだ」と思って、クールに燃えて淡々とプレーを続けていけばいいのです。結果、もしスコア「98」だった場合は「自分のパープレー設定」に対して「-1」。ベストスコアでなくても、平均ストロークに対して1つでも伸ばせたならスコアメイクは「大成功」です。そして、この「-1」が次第に積み重なってきたら将来的に「自分のパープレー設定」を見直していけば良いのです。

ちなみに「今日は調子が悪い。良いスコアは出せないな…」と思っても、諦めたり投げやりなることをせず、「よし、悪いなりにベストを尽くしてみよう。「自分のパープレー設定」に対して、少しでも+オーバーにしないようにするんだ!!」とチャレンジ精神に心に切り替えましょう。たとえ調子が悪い日だとしても、我慢のゴルフでスコアが乱れなかった日は、良いスコアと変わらぬ自信に繋がるもの。時にゴルフも「果報は寝て待て」なのです。

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※1. ホール・ハンディキャップ
基本的にはホールの難易度を示す数字で、数字が小さいほど難しく、大きいほど易しいホールを意味します。但し、本来はマッチプレー競技(ホールごと の勝敗を競い、より多くのホールを勝ったプレーヤーがマッチに勝つというゲーム形式)に使うためのもので、例えば競技者のハンディキャップの差が4だった場合、ハンディキャップ(HDCP)1〜4の数字の各ホールで1打づつのハンデをつけるための数字。また、ハンデキャップホールが後半などの一箇所に集中して競技の前半で決着がつくことの無いよう、3ホールごとにバランスよく分散させて実力差に対して公正を期すようにしてあります。なので、必ずしもホールの難易度とは正確には一致するとは限りません。

  
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2015年01月04日

トリロジー論

trilogy.jpgゴルフのスイング理論は、太い幹を持った3つの理論に大別されると私は考えています。この3つの理論の違いはボールの捉え方の基本的な考えの違いによるもので、これを「トリロジー論」名付けています。「トリロジー」とは、3つ(トリオ)の理論(ロジック)を合わせ持った言葉で、和訳では三部作(さんぶさく 英語:trilogy)、即ち三つにそれぞれ分かれていながら同じ一つの主題を持つ作品群のことをいいます。また、「過去」「現在」「未来」をあらわす3ストーン・ダイアモンドペンダントを「トリロジー」と呼んでいることでも広く知られています。

その3つの理論をそれぞれをA論、B論、C論とすると、A論は体の回転を主とするボディーターン方式(でんでん太鼓型)。一方、C論は間逆で対極的にクラブの回転(ローリング)を主とするアーム(+αリスト)ターン方式(ハンドル型)。もう一方のB論は、A論の体の回転及びC論の腕の回転を適度にミックスさせたボディターン+αの中間型です。

では、3つの理論をそれぞれ要約して解説しましょう。(以下、右利きを対象として)

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A論は、腰や身体の回転でクラブを振っていく、いわゆるボディターンが基本的な考え。でんでん太鼓のような動きのイメージで、テイクバックでクラブヘッドの向きはそのまま体の回転を利用して引き、トップからの動作は@腰→A上半身→B腕→Cクラブ、の順になります。フォローはヘッドを目標へ放り投げるようなイメージで、スィングプレーンはアップライトになります。また、スィング中は両脇は締めたまま腕や手首の運動を制限するのが基本的な特徴です。多くのゴルファーに昔から実践されてきたポピュラーな方法で、球筋としてはドロー系のプレーヤーが多く見られます。

B論は、腰や身体の回転と腕の回転を適度にミックスさせてスィングするのが基本的な考えで、ボディターンのイメージはA論と一緒です。トップからの動作も@腰→A上半身→B腕→Cクラブの順ですが、BCの動作の際に、肘から下を反時計回りに少し回転(ローリング)させます。テイクバックでヘッドをややオープンにしながら少しインサイドに上げ、トップからインパクトまでは体の回転でクラブを振り下ろし、フォローで腕(肘から下)のローリングでヘッドを少しクローズに使いながら先行させ、体がクラブに引っ張れて回転するように振り抜きます。スィング中は両脇を軽く締めたまま手首の動きのみを制限し、ややアップライトなプレーンになるのが基本的な特徴。球筋ではドロー系、ストレート系、フェード系、どのプレーヤーもいて、ツアーでもその割合が最も多く占めているようです。

C論はA論の間逆、対極的な立場でゴルフクラブを主体とする考え方。スィング中はクラブ(ヘッド)を先行させて、腰や身体の回転はクラブの動きに後から引っ張れるように回転する、という理論。クラブをまるで車のハンドルを操作するようなイメージで、テイクバックはクラブヘッドを飛球線に約45度コッキングを利用してインサイドに引き上げ、トップからの動作は(見た目には判断しずらい動きですが)@クラブ→A腕→B上半身→C下半身、の順になります。フォローもヘッドを目標から約45度左へコンパクトに振り抜くイメージで、スィングプレーンはフラット気味になります。また、スィング中はクラブヘッドの向きが左右に開閉し、両脇は緩(ゆる)めて腕や肘、必要に応じて手首の運動も積極的に利用していく、といった点が特徴です。球筋はフェード系が多く、ボールコントロール技術の高いプレーヤーが多く見られます。

トリロジー論.jpg

また、この3理論の樹木を幹(みき)として、更に枝葉に分かれた様々な理論が広がっています。それら全てが偉大な先人達の努力と研究によって伝承されてきた理論であったり、或いはその進化系で、やはりボールの捉え方や原理の違いを個々の考え方(理論)で表現しているものです。そして、どの理論に於いても実績や結果を残しているプレーヤーが多く存在しているのもまた事実です。(例、「ボディターン打法、Aスィング(2018)・A論」「コンバインドプレーン打法・A論」「ツイスト打法・B論&論」「べた足打法・B論&C論 」「手打ち打法・C論」etc....)

従って、多様なゴルフ理論はこの3つ大きな幹を持つ樹木「トリロジー論」のいずれかに属していると判断するならば、「これが正しい」とか「これは間違い・ウソ」等という偏った見解は消え去ってしまいます。そう、世に存在するゴルフ理論すべてが「正しい」のです。だから、より良いゴルフスィングをマスターしていくには、この「トリロジー論」を認識した上で、自身の判断でベースとしたゴルフ理論を選択する、或いは自身の判断でどの理論を信じ続けていくかを決める、といった覚悟と責任をしっかり持って取り組んでいく事がとても大切なのです。(`_´)ゞ

ちなみに、私個人としては A論⇒B論 を経て現在はC論を実践、推奨しているのはB論とC論です。

posted by プロゴルファーKAZU at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | アセンション